2026年8月15日土曜日
飛んで火に入る夏の虫
犬棒カルタの「と」は飛んで火に入る夏の虫。
「ふっ、向こうから一人で乗り込んでくるとは、まさに飛んで火に入る夏の虫だわい」なんていう風に使います。知らぬが仏、鴨が葱を背負ってやって来るなんかも同系列のことわざでしょうか。
なぜ虫は熱くて焼かれてしまうのに火に飛び込んでくるのでしょうか。
明るいのが好きだから?暖かいのが好きだから?
この謎の答えがわかったのは実はごく最近なのです(リンク)。
従来虫は光源に向かって飛んでいくと考えられていましたが虫の飛行軌道を精密に分析すると虫は光に向かって飛ぶのではなく背中に光が当たるように飛んでいることがわかった。
えーとですね、フライトシミュレータをやったことがあるひとはわかると思うけど、敵機を追いかけているうちに機体がクルクル回転してどっちが上かわからなくなることがありますよね。僕達は地面の上に立っているときはどっちが上でどっちが下かわかるけど(僕は最近メニエールでわからなくなります(笑))、フライトシミュレータで飛行機が宙返りしても実際に飛行機に乗っているわけではないので重力の向きがわからない。だからキリキリ舞いする。
虫は三半規管がないので上下がわからない。そこで彼らはどうするかというと太陽を背にすることで水平飛行できるということを覚えた。これを背光反応といいます。
太陽が上にあるときは問題ない。太陽光は平行光線なのでどこまで行っても光は上にある。月も同じですよね。どこまで行っても月は付いてくる。
ところが火や電灯は点光源です。
今、火もしくは電灯が虫である私の左にあるとする。
すると私は本能に従って身体を反時計回りに90°回転し背中を光に向ける。
そしてそのまま10㎝進むとする。
すると光源は斜め後方に移動する。
その光源を背中に受けるためには機首を上げて左旋回しなければならない。
左旋回してさらに10cm進むとなぜか光源はまたしても斜め後方に移動する。
私は慌ててさらに機首を上げて左旋回する。
これを繰り返しているうちに私は頭がおかしくなってくる。
一所懸命背中に光を受けようとしているのに、そしていつもなら一回修正すればすむのに、いつまで経っても、どんだけ軌道を修正しても背中に光を受けられない。
私は疲れてきた。
飛行速度が落ちてきた。
飛行速度が落ちるとともに遠心力が低下。
しかし方向舵は上を向いたままで左回転持続。
円周軌道の半径は縮小し私は火の中へ。
と、こういう理屈らしい。
もちろん虫の中には「えーい、こんなことしてたら飛んで火に入る夏の虫だ!オレは一抜けるぜ!」と無限円運動から脱出する勇気ある虫もいるかもしれません。しかし本能に逆らうのは難しいですね。ついつい飲み過ぎてしまったり食べ過ぎてしまったり。植木等じゃないけど、わかっちゃいるけどやめられない。いやいやそれではダメだ!オレは勇気を出して円運動から脱出するぞ!がんばるぞ、おー!
ということわざの本来の意味から大きく離脱した結論で今日のお話はおしまいです。
2026/8/15
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