2018年8月21日火曜日

ブログを書くことの意味

思いついたことを言語化して外界に出力する。
出力されたものを見返す(これが外界に出力するメリット)。
やがて(仮想的な他者の目によって)気になるところが見つかりそれを修正して再度出力する。
この作業を繰り返すことによって問題の全体像がクリアになる。
場合によっては、そしてそれも稀ではないが書き始めたときの問題が解決してしまってブログにアップする理由が跡形も無く消え去ってしまう。

仮想的な他者の目。
それが、少なくとも僕にとって物事を理解する上での、道具としての「ブログ」の利点であり根幹なのだと再確認する。
あるいはここにこの文章を書くのも、ブログというものをあなたまかせの承認欲求の道具から、「自分にとっての思考の道具」という主体的な視点に組み立て直すためかもしれない。













2018年8月20日月曜日

2つの例文からポルトガル語の時制のことを考える

白水社の「ニューエクスプレスブラジルポルトガル語」香川正子著を今年初めから独習し始めて7ヶ月、全20課のうちようやく第19課までたどり着いた。
今日第18課を復習していて、指示代名詞の2つの例文のところで疑問が湧いた。
その例文がこれ。

Não sabia disso.
私はそのことを知りませんでした。
Eu não tinha pensado nisso.
私はその事を考えていませんでした。

いずれも過去のことを述べている文章だが前者は不完全過去、後者は過去完了で表現されている。

まず前者の「私はそのことを知りませんでした」について。
例えば同じ過去のことを述べるのに「私は昨日銀行へ行かなかった」という文章ならば
Não fui ao banco ontem.
というふうに過去形で表現するわけだが、それと同じように知らなかったことを過去形で
Não sabi disso.と言ってはいけないだろうか。
そしてそれが許されないなら、行かなかったことと知らなかったこと、あるいは「行く」と「知る」の違いは何なのか。

第14課の不完全過去を勉強していて、完全過去と不完全過去の違いを自分なりに考えたのは、
完全過去というのは「終了報告文」(上官殿、私は何々し終わったであります!)ではないかということ。
そして不完全過去というのは「(始まりも終わりもない)過去の『ある状態』を回顧する文」(何々していたなぁ~(遠い目))ではないかということ。
そしてこの二者を区別するには「当時」という言葉を挿入できるかどうかではないか。

例えば「私は昨日銀行に行かなかった」に当時を入れると不自然ですが、「私はそのことを知りませんでした」に当時を入れると「当時私はそのことを知らなかった」となる。
したがって「私はそのことを知りませんでした」は不完全過去で表現すればよい。

じゃあはじめに戻って、後者の「私はその事を考えていませんでした」はどうか。「当時」を入れてみると「私は当時そのことを考えていませんでした」。うん。通じる。じゃあこの文は不完全過去として
Eu não pensava nisso.とすればいいのではないか。でも例文では過去完了で表現されている。それはなぜか。




過去完了というのは「私が家に着いたとき息子は寝ていた」というように「過去から見た過去を」あるいは「過去におけるある状態を過去から見た視点で」表現するときに用いられるが、大事なことはこの文型では「視点が過去のある時点に置かれている」ということだ。

ということはある状態を表現するのに「完全過去」でも「不完全過去」でもなく「過去完了」を使うべきかどうかを判断するには「そのとき」、いやもっとピンポイントで「その瞬間」という言葉を仮想的に挿入してみたらどうだろう。
例えば前者の「私はそのことを知りませんでした」では「(その瞬間)私はそのことを知りませんでした」となってちょっと不自然だが、後者の「私はそのことを考えていませんでした」に「その瞬間」を入れると「(その瞬間)私はそのことを考えていませんでした」となり意味が通るので、この文は過去完了を選択すべきだとわかる。「そのとき」なら「当時」のように時間に幅があるけれども、「瞬間」には幅がないので「知っているかどうか」という幅のある事象には適合しないわけだ。

「当時」か「その瞬間」か。詠嘆的か叙述的か。
前者は「(当時)私はそのことを知らなかった」という思い出話的な表現であり、後者は「(その瞬間)私はそのことを考えていなかった」という、回想シーン描写とも言える。
思い出話か、回想シーンか。同じようでちょっと違う。


以上はポル語学習初心者の想像ですので間違っていればご指導下さい。












2018年8月4日土曜日

いろいろ脱線

Pablo Casals Cello Sonata CBS Sony

ニューエクスプレスブラジルポルトガル語の第17課をまとめた単語帳を朝から確認。例文の中に出てきたneve(雪)という単語が気にかかったのでiPhoneアプリの白水社現代ポルトガル語辞典を参照するとneveの動詞はnevar。さらにserra nevadaは雪の積もった山脈とある。
serraはのこぎり。連なる山の峰はのこぎりのような形をしているから、serraが山脈の意味もあるのもうなずける。
シエラネバダ山脈ってよく聞く名前だけどどこにあるのかGoogleで調べたらアメリカのカリフォルニア州とスペインに同名の山脈をみつけた。
多分僕が知っているネバダ山脈はアメリカの方だけど、スペインにもあるのかと思ってウィキで調べているうちに、そういえばスペインの独立運動があったのはどこだったかなと気になって調べるとカタルーニャ。
あぁ、カタルーニャ地方ってよく聞くな。それでウィキでカタルーニャ州のことを調べていると、これがめっぽう面白い地方で、例えば"パセブラには必ずカガネル(排便人形)が飾られ、翌年の豊穣などを祈願する。この時期になると子どもはカガ・ティオー(糞しろ、丸太)と呼ばれる人形を作り、クリスマスに「糞しろ、丸太、糞しろ丸太」と歌いながら人形を棒で叩くと、菓子やおもちゃが貰える。"とか。
まぁ歴史、文化とか見るべきものがたくさんあって、読んでいるとどんどん引き込まれる。
カタルーニャ出身の有名人も多い。ホアン・ミロとかサルヴァドール・ダリとかアントニオ・ガウディとか、ご先祖がここ出身だったアルゼンチンのマルタ・アルゲリッチとか。
パブロ・カザルスもここ出身だった。カザルスの無伴奏チェロ・ソナタはレコードでは持ってるけど、久しぶりに聞きたくなって「クラシック音楽mp3無料ダウンロード 著作権切れ、パブリックドメインの歴史的音源」というサイトでダウンロードしてiTunes経由でiPhoneに入れて聴く。
スペインの歴史のつながりで塩野七生のローマ人の物語を買って読もうかとも思う。47巻もあるから一冊ずつ古本で買ってお風呂で読もうかと。いろいろ脱線。