2019年1月29日火曜日

ジョアンの歌唱

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ボサノバの弾き語りにあこがれてギター練習を始めたのが去年の2月だからもうすぐ一年になる。途中腱鞘炎などによるレッスンの中断など紆余曲折を経て、今ようやくイパネマの娘の伴奏ができるようになった。
ポルトガル語学習も同じく一年を経過してロゼッタストーンはようやく三分の一を過ぎたところだが、その甲斐あってイパネマの娘の歌詞を訳すことも出来た。じゃああとは演奏に合わせて歌うだけだ、と思ったがこれがとんでもなく難しい!
高校生の頃は歌いながらフォークギターをジャカジャカ弾いていたので、歌いながらギターを弾くことなどなんの問題もないと思っていたのだが、歳のせいなのか何なのかこれがさっぱりなのだ。

その理由は簡単で、ギターのメロディと歌のメロディが違うために一方が他方に引きずられてしまうこと。それからギターのリズムと歌詞のリズムが違うためにこれもやはり一方が他方に引きずられてしまうのだ。
特にジョアン・ジルベルトの歌唱はすごく融通無碍で歌唱のリズムがゴムのように自由に伸び縮みしているのに、伴奏のギターは知らん顔で正確にリズムを刻んでいる。まるでギター奏者とヴォーカリストが一人の人格の中でなんの矛盾もなく共演しているような感じなのだ。
これは多分彼が幼い頃からギターに親しんできたことが関係しているのではないか。つまり演奏と歌唱が脳の中の別な領域で独立して存在しているのではないか。普通のひとは演奏というものに深くかかわらずに大人になるので、まず歌唱についての脳の領域が確立し、演奏はその歌唱を司っている脳に間借りしているように存在するから演奏が歌唱に引きずられてしまうのではないか。

いや、まぁ出来ない理由を正当化しても仕方がない。まずは歌唱のアクセントとギターのアクセントを図表化したものを作成して、ものすごくゆっくりと合わせていくことにした。本当に出来るようになるんだろうか。